2009-12-22

映画『火天の城』、信長のSEはやりたくない!

映画『火天の城』公式サイト

今年のネタは今年の内に。

ちょっと前になりますが、友人の誘いで『火天の城』という映画を見てきました。モノづくりをする人は胸にぐっと来るものがあるでしょう。熱い職人たちの話でした。


映画は安土城を築城する宮大工たちの物語です。戦国時代を舞台にしているのにほとんど武将が出てこないってのもちょっとレアな映画ですね。

宮大工の棟梁、岡部又右衛門(西田敏行)が主人公で織田信長から直々に命令を受けて設計図を書くことになります。しかしさすがの信長、普通のお城は作らせません。岡部にとんでもないムチャぶりをしてきます。それに対して岡部がどう対応したか、ここが前半の山場ですね。

ここらへんはわがままなユーザに振り回されるSEのようで自分の過去の経験と一緒になってちょっと泣けてきました(泣くの早! しかも相手はユーザっつーかお殿様ですからね、機嫌を損ねたら即首ちょんぱです。命がけのシステム提案ってやりたくねー!!!
SEをやってる方は、要求仕様をまとめようとユーザ先に行ったら織田信長がいて「出来るのか、出来るんだろうな」と刀に手を掛けながら迫ってくるような状況を想像してください。はい、ブラック企業どころではありません。首ちょんぱでBlood企業ですね。

それだけに岡部が指図争い(他社との提案書比較みたいなもの)でやったことはすごい。お客のためにモノづくりをするものとして見習いたい。どういう事になったのかは映画を見てのお楽しみということで。


他に見所といえば、リアルに再現された宮大工の作業風景でしょうか。槍鉋ってそういう風に使うのかとか、大きな板の切り出しってそういう風にやってたのねとか、自分としてはその場面を見れただけで結構満足感がありました。
大工さんの作業風景って好きなんですよね。子供のころにも近所で家を立ててると現場に行ってじーっと作業を見てました。大工さんと仲良くなって木っ端でおもちゃを作って貰ったり。何かが作り上げられていく現場っていうのはなにか不思議な魅力があります。


出演している俳優たちは安定感抜群。主役の西田敏行をはじめ、大竹しのぶ、寺島進、緒形直人、椎名桔平など素人アイドル俳優がひとりもいないという安心感。見ていてまったく危なげなく見ていられます。


後半は城の大黒柱にするための大木を探す主人公と、それに共感しつつも協力できない樵の棟梁など、なかなか熱い男のドラマがあります。あと何故か誰もが予想しなかったというか、別に無くてもいいんじゃね?というどんでん返しが!


映画を見終わったあとは心地よい満足感。まさに古き良き日本の職人の映画ですね。こういう映画こそ外国に配給する価値があるんじゃないかなーっと思ったらインドの映画祭に出品したそうな。好評なようで良かった。

『火天の城』公式サイト|制作日記 : ムンバイ映画祭レポート


職人たちが自らの意地と血と汗を流して作る安土城の築上物語、戦国時代のプロジェクトX、DVDは来年の2月21日発売らしいです。

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