三の丸尚蔵館では伊藤若冲の『動植綵絵』を5回に分けて展示するシリーズをやってまして,今回はその2回目です。1回目も行ってきました(感想はこちら)。今回は2回目なので前回より衝撃は少なめでしたが,やっぱり若冲は凄かったです。
まず展示の詳細についてはこちらのエントリを見ると良く分かると思います。前回の展示もそうですが,こちらのブログでは毎回詳しく解説されていて勉強になります。
弐代目・青い日記帳 | 「花鳥ー愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」第2期
1,2回目の展示を見て思ったんですが,『動植綵絵』の各絵には二つのタイプがありますね(なんでも分類したがるのが理系)。
- 1. ポスター型
- はっきりとしたテーマが絵の中心に置いてあるもの。今回の展示だと「雪中鴛鴦図」「棕櫚雄鶏図」「菊花流水図」がそれにあたるかな。
- 中心的な主題というか,画面全体の質感みたいのがテーマのやつ。今回の展示では「梅花皓月図」「梅花群鶴図」「桃花小禽図」。
それで・・・,分類しただけですね。これ以上は専門家じゃないので良く分からん!(慣れないことはするもんじゃないな・・・) 自分はどっちかというと壁紙型のほうが好きです。
えーと,分類とかは置いといて,今回一番凄いと思ったのは「梅花皓月図」です。上のリンクした記事で画像は見れますが,こういうのこそ実物を見ないと凄さがわからないと思います。
画像を見ると木の枝が画面全体に描いてあるだけのように見えますが,実物を見ると枝のところどころにコケのようなものが描いてあります。それで名前のとおり背景から月に照らされているところなんですが,その月光でコケが緑色に光っているように描かれています。これがまさに光っているようにしか見えない! この時代に蛍光塗料ってあったのかなって半分本気で考えちゃいました。これってヒカリゴケなのかな? 月光というロケーションも相まって何だか幻想的な感じでした。
あと「桃花小禽図」の真ん中に変な生き物がいました。モグラみたいだけど本当は「白鳩」らしいです。でもモグラにしか見えないよこれ。
三の丸尚蔵館では若冲以外の作品も展示していました。なんだか今回は鶴の絵が多かったです。若冲にも鶴の絵がありましたけど,それぞれ描き方が違って面白かったですね。円山応挙とか狩野探幽とか,名前は聞いたことあるけど実際にどんな人か,自分は良く知りません。若冲についても良く知らないけど,何だか知らないことが勿体ないような気がしてきたので,次回の展示までに若冲についてお勉強しとこうかなーと思いました。
ちなみに第二回の展示は6月2日(金)までやっているみたいですよ。
【参考リンク】
サルノオボエガキ: 伊藤若冲『動植綵絵』を見に行った。
展示会の第一回目。
Amazon.co.jp:奇想の図譜ちくま学芸文庫: 本
動植綵絵の紹介の章があるので買いました。現在読書中。