非現実サンクリストバルという自作小説を公開するブログを書いてるんですが,その活動中に抱いた疑問です。
SMAPのヒット曲で「世界に一つだけの花」というものがあります。
うろ覚えで引用してみるとサビは以下のような感じ。
ナンバーワンにならなくてもいい
もともと特別なオンリーワン
世間的にはこれは癒しの歌として受け止められていると思いますが,私にはコミュニケーションの断絶を意味する絶望の歌のように聞こえます(妄想過多かもしれない)。
もし人間が,工場で生産されるアンドロイドのようにまったく同じ姿と心を持っていたとしたら,他人の苦しみ/怒り/喜びなどを100パーセント理解することが出来ます。でも人間はオンリーワンだからこそ,分かり合うことが絶対にできない。
と,いうような状況で何か人に伝えたいことを心にもっている人はどう行動すればよいか?というのが世界に一つだけの花問題です。まとめると以下。
【世界に一つだけの花問題とは】
- 人はそれぞれオンリーワンであり,お互いに分かり合うことは絶対に出来ない。
- 自分の思いを他人に伝えることはとてつもなく難しいことである。
- 自分の思いを伝えたいと切実に考えている人はどういう行動を取ればよいか。
3の行動については二通りの道があると私は考えています。
・Aの道:流通させることを追求する
・Bの道:世界で二つ目の花を見つける努力をする
Aの道は要するにたくさんの人に思いを伝えるためにがんばるってことです。自分の思いを幅広く流通させるために色々なワザを磨く。それは読みやすい文章だったり,きれいな色彩の絵画だったり,聞きやすい音楽だったりします。その過程で自分の思いは変形することもあるでしょうが,それはしょうがないと割り切る。
Bの道はインターネットが存在して初めて可能になった道です。人はみなオンリーワンと書きましたが,もしかしたら自分の花は世界に二つだけの花かもしれない。自分の思いをそのまま書いてブログなどで公開することで世界で二つ目の花を持つ人がサーチエンジン経由で見つけてくれるかもしれない,と期待する道です。多くの人に伝わらなくても,二つ目の花に見つけてもらえることで満足する。
で,俺は小説を書く上でAとBのどっちの道を通れば良いのかなーってのが悩みなんですねぇ。結論は出てません。
【参考】
Amazon.co.jp: 空港にて (文春文庫): 村上 龍: 本
短編集です。表題作の「空港にて」はすごく感動しました。普通ではない思いを抱いてしまった人の動揺と救いが描かれていると思います。
茂木健一郎 クオリア日記: 個別と普遍 (於比較文明学会)
MP3で講演の音声が聴けます。個別と普遍の問題は私の考えている問題とほぼ同じです。でも茂木さんは俺の100歩先を行っているw
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